日本のコンテンツ表現を一段上のフェーズへ引き上げた金字塔として、TBSテレビが総力を結集した『VIVANT』と、NHKが大河ドラマの枠組みを拡張した『光る君へ』の存在は外せない。海外ロケーションを本格的に導入し、ハリウッド映画顔負けの大スケールで描かれた『VIVANT』は、日本の連続ドラマにおける制作費とアクション演出の限界を大きく突破してみせた。
これに対し、NHKの『光る君へ』は、平安時代という繊細かつ華美な時代背景を緻密な美術設定と映像美で描き出し、大河ドラマの新しい地平を切り拓いた。両者が証明したのは、徹底的なリサーチと途方ないこだわりに基づく高度な映像制作が、目の肥えた現代の視聴者を捉えて離さないという事実である。この二作が築いた金字塔は、その後の制作現場における新たなスタンダードとなった。