今回の発見において決定的な役割を果たしたのが、最先端の3Dレーザー探査と地中レーダー技術である。研究チームが教法寺の本堂床下を非破壊で詳細にスキャンしたところ、従来は存在しないとされていた空間――極めて精巧に隠された地下室の存在が検知された。この空間こそが、かつて弾圧を逃れた信者たちが夜な夜な集い、静かに祈りを捧げていた秘密の聖域であった可能性が極めて高い。
地下室内部からは、当時の密貿易ルートを経由して持ち込まれたと見られる西洋製の金属片や、ロザリオのビーズとみられる微小な遺物が発見されている。これまでの潜伏キリシタン歴史ミステリー研究では、集落単位での隠蔽が主に着目されてきたが、伝統的寺院そのものが潜伏のプラットフォームとして機能していたという事実は、日本の宗教史における巨大なパラダイムシフトを意味している。