彼女の演技の幅広さを象徴するのが、テレビドラマと動画配信プラットフォームでの縦横無尽な活躍だ。NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』で演じた主人公の母親役は記憶に新しい。長崎・五島列島と東大阪を舞台に、家族を支え、事業の荒波にもまれる母親の喜怒哀楽を、実に自然な経年変化とともに演じきった。物語の経過に伴って深まる目元の刻印は、まさに過酷な人生を生き抜いた証そのものだった。
一方で、近年のNetflix制作による話題作では、一転して不気味なほどの存在感を放つ。冷徹な黒幕や、精神的に追い詰められた人物を演じる際、彼女が見せる鋭い眼光と意図的に影を作った表情は、観客の心に深い爪痕を残す。上質なヒューマンドラマから緊張感あふれるサスペンス映画まで、彼女が作品にもたらす重厚感は、他者の追随を許さない。