事の発端は、数週間前からXやTikTokで拡散され始めた短い動画だった。深夜にスマートフォンで普通のニュースサイトや個人ブログを閲覧していると、突然画面の中央に小さな赤いウィンドウが現れる。×ボタンを押して消そうとすればするほど、ウィンドウは増殖し、最終的には画面全体を覆い尽くす。この古典的でありながら強力な演出が、現代のWeb技術によって極めてリアルに再現されているのだ。
被害に遭ったユーザーの多くは、特別なアプリをダウンロードした覚えはないと証言している。通常のWebブラウジング中に、不正な広告ネットワークを経由してスクリプトが実行される「マルバタイジング」の手法が使われているとみられ、その巧妙さは日を追うごとに増している。