発売当時、日本の市販コーンアイスといえば、しんなりとした柔らかいウエハース状のコーンが主流でした。その常識を根底から覆し、ヨーロッパの街角で食べるような本格的シュガーコーンを家庭向けに持ち込んだのが、クラシエ(当時:カネボウフーズ)のヨーロピアンシュガーコーンです。
多くのファンを惹きつけてやまない最大の要因は、アイスクリームが充填されているにもかかわらず、一口目から最後まで損なわれないコーンのサクサク食感にあります。開発関係者の証言や公開技術資料によると、この食感を維持するために極めて緻密な二重の防湿構造が採用されています。焼き上げたコーンの内周全体にチョコレートを均一に吹き付けることで、アイスの水分がコーンへ移行するのを物理的に遮断しているのです。
さらに、食べ進めた一番底の部分に溜まっている「チョコだまり」も計算された設計です。製造工程においてコーン先端の漏れを防ぐと同時に、最後のひとくちまで濃厚な甘みと満足感を残す工夫として、開発当初から受け継がれる象徴的なディテールとなっています。芳醇なバニラアイスのコクと、ほろ苦いトッピングチョコ、香ばしいコーンの三位一体のバランスこそが、40年近くにわたり消費者の心を掴み続ける決定的な理由です。