張本勲の残した通算3085安打という記録は、今なおNPBにおける不滅の金字塔である。イチローが日米通算でこれを超えた際にも、張本は「日本国内のみの記録」としてのプライドを隠さなかった。彼がこれほどまでに数字にこだわったのは、実力さえあれば誰も文句は言えないという、厳しいプロの世界における生存戦略でもあった。
「国籍がどうあれ、グラウンドで結果を出せば認められる」。その信念のもと、彼は首位打者を7度獲得し、パ・リーグの顔として君臨し続けた。差別的なヤジを浴びせられることも日常茶飯事だったが、彼はそれを自らのエネルギーへと変換し、バットで黙らせてきたのである。