現在のインターネット空間は、ユーザーの感情を刺激し、滞在時間を延ばすためのシステムで構築されている。最も手っ取り早くアテンション(関心)を引くのは、怒りや恐怖、そして「他者の不幸」だ。かつてはニュース番組のフィルターを通して慎重に報じられていた凄惨な現場の映像が、今や無修正のままタイムラインに放流される。
ユーザーはそれを「ショッキングなコンテンツ」として消費する。指先一つで次の動画へ切り替えるその刹那、被害者の痛みや無念さは完全に脱色され、ただのデジタルデータへと成り下がる。この手軽さこそが、現代における最も静かで深刻な「むごさ」なのかもしれない。