海賊の歌のルーツを語る上で欠かせないのが、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの冒険小説『宝島』に登場する「15人の死人の箱(Dead Man's Chest)」の歌です。
「死人の箱にゃ 15人、ヨー・ホー・ホー、ラム酒を1本!」というフレーズは、世界中のパイレーツ作品の原型となりました。この歌詞には、実在した大海賊「黒髭(エドワード・ティーチ)」にまつわる恐ろしい逸話が隠されています。
カリブ海に実在する無人島「デッドマンズ・チェスト島」は、水も草木もない断崖絶壁の孤島です。黒髭は反乱を企てた船員15人を処刑するため、各自にラム酒1本とカットラス(剣)だけを持たせてこの島に置き去りにしました。渇きと絶望の中、生き残りをかけて仲間同士で殺し合いをさせるという残酷な処刑法でした。この凄惨な史実が、後に「15人の死人の箱」という不気味な歌の元ネタとして定着したと伝えられています。