技術や温度に問題がなくても、材料の劣化や型の下処理の甘さによって膨らみが阻害されるケースがあります。見落としがちな盲点を再点検しておきましょう。
代表的な要因が、ベーキングパウダーの保管状態と使用期限です。開封してから数ヶ月以上放置されたベーキングパウダーは、空気中の湿気を吸って化学反応が進み、ガスを発生させる力が著しく低下しています。「膨らまない」と感じたときは、ぬるま湯に少量のベーキングパウダーを落としてみてください。瞬時にシュワシュワと勢いよく泡立たないものは失活しているため、新しいものに買い替える必要があります。
また、マドレーヌ型の下準備も軽視できません。型に柔らかくしたポマード状のバターを刷毛で均一に塗り、強力粉を軽くはたいて余分な粉を落とした後、型ごと冷蔵庫で冷やしておくのが基本です。この下準備を丁寧に行うことで、型の熱が生地全体にスムーズに伝わり、型離れが良くなるだけでなく、均一な熱伝導によって理想的な気泡の立ち上がりがサポートされます。