香港の旗の中央に凛と咲き誇る白い花は、香港の市花であるバウヒニア(中国語名:洋紫荊 / 学名:Bauhinia blakeana)です。19世紀後半、香港島のポックフーラム(薄扶林)でフランス人宣教師によって発見された固有種のマメ科植物であり、1965年には当時の市政局によって正式に香港のシンボルツリーとして選定されました。
旗のデザインにおいて最も重要なのは、鮮烈な赤地の背景と純白の花弁のコントラストです。この配色は、中華人民共和国という「国家」を表す赤色と、資本主義体制を維持する香港という「地域」を表す白色の調和、すなわち「一国二制度(One Country, Two Systems)」の理念をダイレクトに表現しています。
さらに注目すべき細部は、渦を巻くように配置された5枚の花弁の中にそれぞれ配された「小さな赤い五角星」です。この星は中国国旗(五星紅旗)にある星と同義であり、「香港の同胞が祖国を愛する心」と「本国と香港の不可分な絆」を象徴しています。花弁が動的に回転しているようなフォルムには、香港が絶え間なく発展し続けるダイナミズムへの願いが込められています。