『ニュースステーション』の終了後、後継番組としてスタートしたのが古舘伊知郎をメインキャスターに据えた『報道ステーション』でした。同じ夜の大型報道番組でありながら、両者の間には明確な哲学の違いが存在します。
久米宏の『ニュースステーション』は、オフィス・トゥー・ワンと久米宏個人が強烈な当事者意識を持って作り上げる「個人の批評空間(ニュースショー)」でした。久米宏の沈黙やため息、怒りそのものが番組のメッセージとなっていたのに対し、『報道ステーション』はテレビ朝日の報道局が主導する「組織ジャーナリズム」の色彩が強まりました。
古舘伊知郎もマシンガントークと情熱的な語り口で独自の世界観を築きましたが、久米宏が持っていた「一歩引いたシニカルな視線」や「テレビというメディア自体を疑う自己言及的な姿勢」は、久米宏一代限りの特別な表現形式だったと言えます。