中原誠の経歴を振り返るうえで欠かせないのが、昭和の巨星・大山康晴十五世名人との世代交代劇です。1972年、第31期名人戦七番勝負において、当時名人を13連覇中だった大山名人を4勝3敗で撃破。24歳にして名人位を奪取したニュースは、将棋界の新たな夜明けを告げる歴史的転換点となりました。
その後、名人戦通算11期獲得(歴代2位)をはじめ、タイトル通算64期、一般棋戦優勝28回という驚異的な成績を記録。永世名人(十六世名人)、永世十段、永世王位、名誉王座、名誉棋聖という永世称号資格を次々に獲得し、将棋界を完全制覇しました。平成に入ってからは台頭してきた羽生善治九段ら「羽生世代」の猛追を受けながらも、円熟味を増した指し手で立ちはだかり、時代を超えてトップ棋士であり続けました。