長年、日本のワークスペースを支えてきた老舗企業が、なぜあえて原宿の裏通りでカルチャーの発信に挑むのか。その背景には、コクヨ代表取締役社長の黒田英邦氏が掲げる「WORK & LIFE STYLE COMPANY」への構造的な転換がある。効率や利便性を追い求めるだけでは、人の心は動かない。働くことと生きることは分断されたものではなく、本来シームレスに交錯しているはずだ――そんな確固たる哲学が、THINK OF THINGS 原宿の隅々にまで息づいている。
店内に並ぶアイテムは、既存の流通に乗せるための大量生産品とは一線を画す。インダストリアルな美しさを備えたクリップボード、絶妙なニュアンスカラーをまとったファイルボックス、手に馴染む重量感を計算し尽くしたペントレイ。従来の事務用品が持っていた実用性に、現代の生活空間に調和する美意識を掛け合わせることで、道具は思考を前進させるパートナーへと昇華されている。