彼の評価を決定づけたのは、社会現象を巻き起こした人気作の実写ドラマおよび映画版『推しの子』における主人公・アクア役の抜擢だろう。芸能界の光と闇、そして親という巨大な呪縛や葛藤を抱えながら生きるアクアの心情は、奇しくも櫻井海音自身の境遇と重なり合う部分が少なくない。Amazon Prime Videoで全世界に向けて配信された本作で見せた冷徹な眼差しと奥底に秘めた情熱は、国内外の視聴者を震撼させた。
さらに、TBS系の日曜劇場『VIVANT』での鮮烈な登場など、大作への出演が相次ぐ。単なるビジュアル先行のキャスティングであれば、重厚なベテラン勢のなかで完全に埋没していただろう。だが彼は、画面の空気を引き締める独特の緊張感を放ち、実力派若手俳優としての評価を確固たるものにした。