あの夏、甲子園を包んだ空気は異様だった。青空の下で繰り広げられた早稲田実業と駒大苫小牧のコントラスト。洗練された投球フォームで淡々と投げ込む斎藤佑樹と、雄叫びを上げながら魂を込めて投げ下ろす田中将大。対照的な二人のエースの激突は、日本中の視線を阪神甲子園球場一点に集めた。
連日のマウンドで限界を突破していた二人の肉体。投げ合うごとに研ぎ澄まされていく集中力。両校の意地がぶつかり合った37イニングの攻防は、単なる一勝一敗のゲームではない。互いの限界を引き出し合ったライバル関係の極致として、日本スポーツ史の金字塔となった。