今回の事件は、一企業の問題に留まらない。日本の食品業界全体が抱える、人手不足と自動化のジレンマを象徴している。
現場の熟練工が減少し、検査プロセスの自動化が進む一方で、AIやセンサー技術も万能ではない。特に、複雑な形状を持つ葉物野菜の検査は、技術的にも最難関の一つとされている。
さらに、近年の気候変動に伴う害虫の大量発生や生態の変化も、現場の負担を増大させている。農薬の使用を抑えた安全な野菜を求める声と、虫を一匹たりとも許さないというゼロリスク信仰の狭間で、メーカーは極めて難しい舵取りを迫られているのだ。