この店の真骨頂といえば、なんと言っても創業以来休むことなく継ぎ足され続けてきた「秘伝のタレ」だ。深いコクと角のないまろやかな甘み、そして長年にわたって数万本の鶏肉から染み出た旨味が凝縮されたタレは、一朝一夕には再現不可能な唯一無二の財産である。
炭火で一気に表面を焼き固め、香ばしい煙を纏わせた鶏肉を、惜しげもなく秘伝のタレへと潜らせる。タレが炭に落ちて立ち上る芳醇な香りは、それだけでお酒が進むほどの力を持つ。一口頬張れば、パリッとした皮の香ばしさと、溢れ出すジューシーな肉汁、そして濃厚なタレが口いっぱいに広がり、思わず吐息が漏れる。
さらに特筆すべきは、串一本あたりの圧倒的なポーションの大きさだ。一口では収まりきらないほどの大きな肉塊が豪快に刺された焼鳥は、一口噛みしめるごとに鶏肉本来の旨味覚醒を感じさせてくれる。安易な値上げや省サイズ化に走ることなく、この大ぶりなスタイルを貫く姿勢に、職人の矜持が宿っている。