ネット上の掲示板やSNSで慈恵大学病院の受診体験談を調べると、必ずと言っていいほど話題にのぼるのが「待ち時間の長さ」です。「予約時間に行ったのに1〜2時間待った」「会計まで含めると半日がかりだった」という声が散見されます。なぜ、徹底した予約管理を行っているはずの大学病院で待ち時間が発生するのでしょうか。
現場の医療体制を取材・分析すると、主に以下の3つの構造的理由が浮かび上がってきます。
第一に、「難治性疾患・重症患者に対する徹底したカンファレンスと個別診療」です。慈恵医大には、他院で診断がつかなかった症例や、複雑な合併症を抱えた患者が数多く集まります。一人ひとりの患者に対して丁寧な問診や画像読影を行い、必要に応じてその場で追加検査や処置を指示するため、1件あたりの診察時間が予定枠を超過しやすくなります。
第二に、「当日検査・処置の動線と結果待ち」が挙げられます。血液検査、CT・MRI、内視鏡検査などを同日に行い、その結果を踏まえて当日のうちに治療方針を決定するケースが多いため、検査部門と診察室のあいだでタイムラグが発生します。
第三に、「緊急手術や救急患者対応への医師の招集」です。大学病院の臨床医は外来診療だけでなく、病棟管理や緊急オペ、教育指導を兼任しています。突発的な救急搬送や重篤患者の容体変化によって外来担当医が一時的に診察を中断せざるを得ない局面が生じます。
待ち時間によるストレスを減らすためには、予約時間の少し前に到着して自動再来受付を済ませること、院内のカフェや待合スペースで進行状況を確認できる呼び出しシステムを活用すること、そして診察当日は半日程度の時間的余裕を持ってスケジュールを組む配慮が欠かせません。