世界政府を創設した20人の王の末裔として聖地マリージョアに君臨する天竜人は、自らを「神」と称し、下界の人間を人間とも思わぬ選民思想の塊である。呼吸する空気すら一般人と同じものを嫌い、泡状の樹脂ヘルメットを着用する姿勢は、彼らの隔離された異常な価値観を雄弁に物語っている。
彼らが享受する絶対的な免責特権こそが、世界の不平等と闇の深さを証明している。奴隷を乗り物として扱い、意に沿わぬ者をその場で射殺しても裁かれない法超律の存在は、世界政府がいかに歪んだ基盤の上に成立しているかを露呈させている。その中でもチャルロス聖の言動は、天竜人の醜悪さを極限まで凝縮した鏡と言える。