ネット上の情報やSNSレシピのなかには、生もずく本来の魅力を損なう誤った常識が散見されます。取材を通じて判明した最大の盲点は、「生もずくの下処理と洗い方」における過剰洗浄です。
パック売りされている「塩蔵もずく」は徹底的な塩抜きが必須ですが、旬の時期に出回る「洗い生もずく」はすでに海水程度の真水で適度に洗浄されています。これをボウルの中でゴシゴシと何度も揉み洗いしてしまうと、生もずくが誇る最大の機能性成分であるフコイダン(水溶性食物繊維)が水中に大量流出してしまいます。
東京水産大学(現・東京海洋大学)出身の専門家や沖縄県養殖関係者の共通見解として、生もずくの正しい洗い方は「ザルに入れて冷水でサッと砂を流す程度に1〜2回くぐらせるだけ」で十分です。また、独特のぬめり成分にはコレステロール吸収抑制や腸内フローラの改善、免疫調整を助ける優れた栄養と効能が学術的にも証明されており、洗剤のように洗い流してしまう行為は栄養学的な損失と言わざるを得ません。