1977年、日本中に衝撃を与えたのが、当時国民的トップアイドルとして絶大な人気を誇っていた浅田美代子との再婚でした。当時拓郎は31歳、浅田は21歳。10歳の年の差カップルでした。
馴れ初めは、TBS系ドラマ『時間ですよ』で人気を博した浅田の楽曲を拓郎が手掛けたことや、音楽番組での共演がきっかけでした。拓郎の強いアプローチにより交際へ発展し、結婚と同時に浅田美代子は芸能界を電撃引退。専業主婦として夫を支える道を選びました。
しかし、この結婚生活は1983年に終わりを告げます。子供はいませんでした。なぜ、あれほど熱烈に結ばれた二人が離婚に至ったのか。その深層には、昭和の男性優位な結婚観と、若すぎたアイドルの葛藤がありました。
後年のインタビューで浅田美代子は、当時の生活を「どこかおままごとのようだった」と回顧しています。拓郎は「妻には家にいてほしい」と強く望み、浅田は料理や家事を懸命にこなしましたが、次第に拓郎の交友関係や奔放な生活リズムについていけなくなりました。さらに、夫の浮気疑惑や生活観の不一致が重なり、浅田自身の精神的自立への渇望が離婚を決断させる決定打となったのです。
浅田美代子はこの離婚を機に芸能界へ復帰し、樹木希林ら名優との出会いを経て唯一無二の女優へと成長していきました。二人の破局は痛みを伴うものでしたが、互いの人生に必要な通過儀礼であったと現在では肯定的に捉えられています。