男児行方不明のニュースが報じられると、SNSや匿名掲示板では瞬く間に膨大な書き込みが溢れかえります。しかし、報道各社の取材データと現場の実態を突き合わせると、ネットの反応で語られる言説には多くの誤認が含まれていることが分かります。
特に顕著なのが「これだけ探して見つからないのだから、車で連れ去られたに違いない」という短絡的な事件説です。確かに誘拐や連れ去りの可能性を警察は完全に排除しませんが、山林や農村部における未解決事案の多くは、後年になって「捜索隊が何度も通過したはずの急斜面の窪地」や「暗渠(覆われた水路)」から遺留品が発見されるという過酷な現実があります。
また、ネット上では家族の記者会見での表情や言動を切り取った心ない誹謗中傷や、自称霊能者・ネット探偵による根拠のない犯人捜しが横行します。過度のパニック状態にある家族の発言の揺らぎを「怪しい」と決めつける行為は、捜索活動に深刻なノイズを生み出し、警察への虚偽通報を増やして現場を混乱させる重大な弊害をもたらします。