戦槌の巨人が従来の巨人と一線を画す最大の要因は、常識を根本から覆す硬質化能力の応用力にあります。鎧の巨人のような装甲や女型・進撃の巨人が見せる局所硬質化とは異なり、戦槌の巨人は地面や大気中から瞬時に超高密度の結晶質を生成し、自在に造形する能力を有しています。
作中で披露された武装バリエーションは多岐にわたります。巨人の頭部を容易に粉砕する巨大な「戦槌(ウォーハンマー)」をはじめ、遠距離から敵を射抜く巨大ボウガン、接近戦を制する長槍や鞭、さらには地面から無数の槍を生やして敵を串刺しにするトラップまで、戦況に応じた兵器を即座に具現化しました。さらに、巨人自身の皮膚も網目状の白い硬質化繊維で全身が覆われており、調査兵団の通常刃はおろか並大抵の打撃を一切受け付けない鉄壁の防御力を誇ります。
そして何より敵を絶望させたのが、「うなじに本体がいない」という特異構造です。ラーラ・タイバー本体は地底深くに潜み、高純度の硬質化水晶体に自らを包み込んで保護。そこから神経接続された白いコード(ケーブル状の肉線)を通じて、地上に巨人の肉体を遠隔生成・操作していました。エレンが巨人のうなじを即座に破壊したにもかかわらず、全くダメージを受けることなく反撃へ転じた光景は、戦術的な死角を突く完璧な初見殺しギミックでした。