かつて三和ホテルを訪れた宿泊者たちは、どのような体験をしていたのでしょうか。当時の宿泊記ブログや口コミサイト、SNSに残された膨大な記録を精査すると、現代の高規格カプセルホテルとは対極にある、生々しくも愛された実態が浮かび上がります。
当時、宿泊料金は1泊あたり約1,500円〜2,000円前後という、関西圏でも群を抜く安さを誇っていました。事前のネット予約は原則として存在せず、フロントでの直接現金前払いという飛び込みスタイルが基本の予約方法でした。館内にはカプセルベッドが整然と並び、年季の入った大浴場とサウナ、昭和の風情を残す休憩スペースが備わっていました。
実際の口コミでは、「壁が薄く隣のいびきが響く」「設備は古い」といった衛生・静粛面へのシビアな指摘があった一方で、「スタッフが親身で温かい」「この値段で屋根の下で温かい風呂に入れるのは奇跡」といった感謝のコメントが目立ちました。清潔さやプライバシーを重視する観光客には向かないものの、生きるための拠点を求める層にとっては代えがたい聖域だったことが分かります。