アマチュア時代、彼は競技会というルールの中で頂点を極めた。だが、プロ転向から4年が経過した今、彼が戦っている相手は「スコアシート」ではなく「人間の表現の限界」そのものだ。自身のプロダクションが手がけるエンターテインメントは、フィギュアスケートのショーという従来の概念を完全に過去のものへと追いやった。
プログラムの合間に見せる緊迫した表情、指先一つにまで宿る音への同期。4回転ジャンプの切れ味は衰えるどころか、物語の感情が高揚するクライマックスの配置に最適化されている。力ずくで跳ぶのではなく、感情の爆発としてジャンプが跳ばれる。その次元の高さに、世界の舞台芸術関係者からも感嘆の声が上がっている。