なぜ今、この曲なのか。ヨルシカの音楽は、単に耳触りが良いポップスではない。その根底には、徹底的な「他者との比較」と「自己の無価値感」が流れている。特にこの楽曲は、音楽に人生を捧げながらも、社会や他者との関係性の中で摩耗していく若者の精神世界を容赦なく描き出した。
SNSのタイムラインを開けば、自分より若い才能が瞬く間にバズり、消費されていく。そんな光景を日常的に目にする現代の若者にとって、主人公・エイミーが抱いた「音楽への見切り」は、決して他人事ではない。むしろ、彼らにとっての救いの書として機能しているのだ。