「三種の神器」という言葉の原点は、日本神話に登場する天孫降臨の際、天照大御神(アマテラスオオミカミ)が瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に授けたとされる3つの宝物に由来します。歴代天皇が皇位の正統性を示す証として不可欠とされ、代々の皇位継承儀式において重儀の根幹を担ってきました。
古代の神話体系において、それぞれの神器は明確な徳目を象徴しています。八咫鏡(やたのかがみ)は真実をありのままに映し出す「知」、草薙剣(くさなぎのつるぎ・別名:天叢雲剣)は邪悪を断ち切る「勇」、そして八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)は慈愛と寛容をたたえる「仁」を表すと解釈されてきました。これらは国家を統治する君主が備えるべき根本精神を示しています。
明治以降の近代皇室典範や皇室経済法においても、これらの神器は「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」として特別な法的位置づけが与えられており、相続税の対象外とされるなど、日本の国法上も唯一無二の尊崇を受けています。