かつての高校野球にありがちだった、指導者が絶対的な権力者として君臨し、選手がそれに従うだけという構図は、今の鳴門には存在しない。指揮官が最も重視しているのは、選手一人ひとりとの「対話」である。練習の前後やちょっとした空き時間に、技術的なアドバイスだけでなく、学校生活や将来の夢についてフランクに言葉を交わす。
このコミュニケーションの積み重ねが、選手との強固な信頼関係を築く。選手たちは「監督は自分をしっかりと見てくれている」という安心感を得ることで、失敗を恐れずに思い切ったプレーができるようになる。プレッシャーのかかる場面でも、ベンチとグラウンドが一体となってピンチを切り抜けるシーンが何度も見られるのは、この強固な絆があるからに他ならない。