このエピソードを伝説たらしめているのは、やはりクライマックスの演出だ。犯人である男の前に立ちはだかる鈴木。雪が舞い散る中、復讐の刃が振り下ろされる。
まさにその瞬間、米津玄師の「Lemon」のイントロが響く。「夢ならばどれほどよかったでしょう」という歌い出し。これほどまでに残酷で、これほどまでに美しいタイミングが他にあるだろうか。救済の歌であるはずのメロディが、ここでは取り返しのつかない破滅のBGMとなる。視聴者は、復讐を止めてほしいと願いながらも、鈴木の絶望に共感してしまう。あの1秒に凝縮された葛藤こそが、本作の真骨頂だ。