花粉症治療において、眼科を受診して受け取る「処方薬(医療用医薬品)」と、ドラッグストアで購入する「市販薬(OTC医薬品)」の境界線は年々変化しています。かつては処方薬の方が圧倒的に強力とされていましたが、現在は医療用成分がそのまま市販薬へ転用された製品が数多く並んでいます。
代表的な処方薬であるアレジオン点眼液(有効成分:エピナスチン塩酸塩)は、ヒスタミンの受容体をブロックするだけでなく、アレルギー誘発物質の放出そのものを抑える「ケミカルメディエーター遊離抑制作用」を併せ持ちます。現在では同成分が同濃度(0.05%)配合された市販薬が登場しており、成分上の効果自体に大きな差はありません。
一方、処方薬として根強い支持を誇るパタノール点眼液(有効成分:オロパタジン塩酸塩)は、かゆみに対する切れ味の鋭さが特徴です。2026年時点でもオロパタジンは医療用専売となっており、市販薬では直接購入できません。また、処方薬には高濃度で1日2回点眼で済むタイプ(アレジオンLXなど)が存在する点や、医師の診察によって炎症の度合いに応じたステロイド点眼薬を併用処方できる点が、市販薬との決定的なアドバンテージです。