1999年にフジテレビ系で放送された『リング〜最終章〜』および『らせん』。ここで描かれた貞子は、原作小説が持つSF要素や人間ドラマに深く踏み込んだ内容だった。映画版が提示した「テレビから這い出る異形の化け物」というイメージに対し、テレビ版は彼女がなぜ怨霊にならざるを得なかったのかというプロセスに焦点を当てている。
木村多江は、超能力を持ちながらも普通の幸せを望んでいた山村貞子の「陽」の部分と、裏切られ世界を呪うようになった「陰」の部分を見事に演じ分けた。視聴者は彼女の恐怖に怯えながらも、同時にその境遇に深く同情せざるを得なかったのだ。