「不知火」という言葉は、日本の国技である大相撲の最高峰・横綱土俵入りの型としても名を知られています。横綱土俵入りには「雲竜型(うんりゅうがた)」と「不知火型(しらぬいがた)」の2種類が存在します。
不知火型土俵入りの最大の特徴は、せり上がりの際に両腕を左右に大きく広げて胸を反らせる雄大な所作にあります。雲竜型が左手を胸元に引き寄せて守りを表現するのに対し、不知火型は「攻撃の型」「攻め」を象徴するとされ、そのダイナミックで華麗な姿は観客を大いに魅了します。また、土俵入りで使用する化粧まわしの締め方も異なり、雲竜型は背面の輪が1つであるのに対し、不知火型は輪を2つ作って締めるのが伝統の形式です。
この型の名称は、幕末から明治初期にかけて活躍した熊本県出身の第8代横綱・不知火諾右衛門(しらぬい だくえもん)や第11代横綱・不知火光右衛門(しらぬい こうえもん)に由来します。近年では第69代横綱・白鵬(現・宮城野親方)や第73代横綱・照ノ富士が不知火型を継承し、土俵上で圧倒的な存在感を放ちました。