廃棄物管理において最もトラブルや誤解が生じやすいのが、「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」の線引きです。多くの人が「企業から出たごみはすべて産業廃棄物」あるいは「ゴミ袋に入るものはすべて一般廃棄物」と誤認していますが、法律上の基準は品目と業種によって厳密に規定されています。
法が定める産業廃棄物20種類一覧は、あらゆる事業活動に伴って排出される「燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず、鉱さい、がれき類、ばいじん」の12種類と、特定の業種(建設業、製造業、医療業など)に伴って排出される「紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、動物系固形不要物、動物の糞尿、動物の死体、これらを処分するために処理したもの」の8種類で構成されています。
ここで極めて重要な盲点となるのが、「オフィスから出るプラスチックごみや金属ごみ」の扱いです。文房具のプラスチック製クリップやクリアファイル、お弁当のプラスチック容器、壊れたスチール机などは、業種を問わずすべて「産業廃棄物(廃プラスチック類・金属くず)」に分類されます。一方で、同じオフィスから出たシュレッダーくずや茶殻は「事業系一般廃棄物」となります。
このように、同じフロアの同じゴミ箱周辺で発生したごみであっても、素材によって管轄する処分ルートが完全に分岐する点に、実務上の難しさがあります。