健康診断のバリウム検査(胃部X線検査)や胃カメラ検査でポリープが発見された際、最も気になるのが「悪性か良性か」という点です。日本消化器内視鏡学会をはじめとする臨床現場のデータによると、胃の粘膜に生じる隆起性病変は、組織の構造や発生原因によって明確に分類されています。
臨床現場において、胃ポリープの悪性・良性の見分け方は、内視鏡観察時の色調、表面構造(微細血管や腺開口部のパターン)、大きさ、そして生検(組織を一部採取して顕微鏡で調べる検査)によって確定します。大腸ポリープの場合は大半が腺腫であり放置すると癌化リスクが高まるのに対し、胃ポリープは性質が大きく異なります。大半を占める良性ポリープは粘膜の正常な過剰反応や胃酸環境によって生じるため、発見されたからといって直ちに開腹手術や大掛かりな処置が必要になるわけではありません。
ただし、中には組織の一部が癌化するリスクを秘めた病変や、すでに微小な癌細胞を含んでいる病変が存在します。日本胃癌学会が策定する診療指針に基づき、病変のサイズ、形態の変化、増大スピード、組織の異型度(細胞の乱れ具合)を総合的に評価し、経過観察にとどめるか切除へと踏み切るかが厳密に判断されます。