歌集やエッセイの執筆にとどまらず、穂村弘の活動領域は年々広がりを見せています。特筆すべきは、絵本のテキスト制作や海外絵本の翻訳ワークです。
モーリス・センダックの名作『かいじゅうたちのいるところ』の新訳を手がけたほか、ショーン・タンのグラフィックノベルの日本版解説や翻訳、さらには自らテキストを手がけた創作絵本など、子どもから大人までを惹きつける言葉選びが高く評価されています。定型詩で磨き抜かれた「言葉の響きとリズム」が、視覚芸術である絵本と見事な化学反応を起こしています。
また、雑誌『ダ・ヴィンチ』の長期連載「短歌ください」や、主要全国紙の歌壇選者を歴任し、次世代の若い才能を発掘・育成するメンターとしての役割も極めて重要です。2026年代以降に台頭した新進気鋭の歌人たちの多くが、穂村弘の選評や著作から決定的な影響を受けたと公言しています。