鬼灯の花言葉として広く知られているのは「偽り」「ごまかし」「欺瞞」「私を誘惑して」といった、どこか裏切りや不信感を連想させる言葉です。可愛らしい見た目を持つ植物に、なぜこのような冷淡な意味が定着したのかを探ると、形態学的特徴と西洋・東洋の文化差が見えてきます。
最大の理由は、鬼灯の構造そのものにあります。初夏に咲く控えめな白い花が散った後、発達した萼(がく)が袋状に膨らみ、鮮やかな朱色へと変化します。一見すると中には大きな実が詰まっているように見えますが、外側の袋を破ってみると、中心には小さな丸い果実が1つあるだけで、内部の大部分は空洞です。この「外見ばかりが立派で中身が伴っていない姿」が見掛け倒しや中身のない嘘とみなされ、「偽り」や「ごまかし」の象徴となりました。
また、欧米では鬼灯を「Chinese lantern(チャイニーズ・ランタン)」や「Japanese lantern」と呼びますが、西洋の花言葉では「deception(ごまかし、詐欺)」が割り当てられています。これも同様に、外側の皮が果実本体であるかのように見せる植物の性質から名付けられたものです。
一方で、鬼灯にはネガティブな言葉ばかりではありません。もうひとつの代表的な花言葉に「心の平安」「自然美」があります。これは、ふっくらと丸みを帯びた袋が温かみのある灯火のように見え、眺める人の心を落ち着かせることに由来しています。鬼灯は「偽り」という影の側面と、「心の平安」という光の側面を併せ持つ、きわめて多面的な植物なのです。