1990年代半ば、吉川ひなの(本名:吉川愛)の登場は、日本のファッション界および芸能界に決定的なパラダイムシフトをもたらしました。銀座でショッピング中にスカウトされ、1993年に伊勢丹の広告モデルとして13歳で本格デビューを果たすと、瞬く間に『Olive』『Zipper』『CUTiE』といった当時のカルチャー誌の表紙を独占。その姿は「生きたフランス人形」と形容され、原宿カルチャーを牽引する絶対的なミューズとなりました。
彼女の最大の武器は、日本人離れした168cmの長身と驚異的な小顔が生み出す9頭身プロポーションでした。当時、カリスマ美容師ブームやコギャル文化が台頭するなか、彼女が体現した「ドール系ファッション」(ふんわりとしたパフスリーブ、レース、クラシカルなワンピース)は、ストリート系やギャル系とは一線を画す唯一無二のジャンルを確立しました。
当時のテレビCM(ポカリスエットや資生堂など)やグラビアを見た視聴者からは、「CGではないのか」「現実離れしすぎている」といった驚愕の声が殺到。天真爛漫なキャラクターと舌足らずな独特のトークスタイルも相まって、バラエティ番組でも引っ張りだことなり、お茶の間の人気者へと登り詰めました。