振袖の購入やレンタルを検討し始めた人が真っ先に驚くのが、京都きもの友禅の価格設定です。一般的な呉服店や百貨店では、一式購入すれば50万円〜100万円超、レンタルであっても20万円〜30万円前後が成人式の相場とされています。ところが京都きもの友禅では、仕立て上がりのレンタルが4万円台〜、フルセット購入でも10万円台〜という驚異的なプライスが並びます。「安かろう悪かろうではないのか」と疑念を抱かれるのも無理はありません。
この価格破壊を可能にしている決定的な要因は、呉服業界特有の多重中間マージンを徹底排除した「産地直接取引」にあります。通常、着物が消費者の手元に届くまでには、織元・染元から産地問屋、中央問屋、二次問屋、小売店という複雑な流通ルートをたどります。それぞれの段階で手数料や輸送費が上乗せされるため、最終価格が製造原価の数倍に跳ね上がるのが業界の通例でした。
京都きもの友禅は、新潟県十日町市や京都の染元・織元とダイレクトに提携し、現金決済で一括買い付けを行う手法を確立しました。生産者にとっては在庫リスクを負わずに大量販売できるメリットがあり、企業側は極めて有利な卸価格を引き出すことができます。さらに自社内に熟練の検品部門を構え、中間流通を省きながら高品質な正絹(シルク100%)の着物を安定供給するインフラを完成させました。これが、高品質でありながら競合他社を圧倒する安さを維持できる合理的な裏付けです。