SNSや大手Q&Aサイト(知恵袋・発言小町等)を分析すると、「のどのイガイガを感じて葛根湯を2日飲んだが、どんどん痛くなって声が出なくなった」「ツムラ葛根湯を飲んだのに扁桃腺が腫れ上がった」といった投稿が多数確認されます。
東京都内の調剤併設型ドラッグストアに勤務する現役薬剤師は、現場の実態について次のように指摘します。
「お客様の多くは『風邪薬=葛根湯』というイメージを持たれています。しかし、カウンセリングを行うと、悪寒は一切なく『のどの奥が焼けるように痛い』とおっしゃる方が非常に多いのが現状です。葛根湯は発汗作用を持つ麻黄や桂皮を含むため、すでに体温が上がり炎症が局在化している段階では適応外となります。のどのイガイガや乾燥感程度であれば葛根湯で体を温めて自己免疫を高める選択肢もありますが、明確な嚥下痛(飲み込むときの痛み)や赤みがある段階では銀翹散や桔梗湯への切り替えを推奨しています」
消費者側の「とりあえず葛根湯」という思い込みと、漢方本来の「証(体質・症状の状態)」のミスマッチが、効果の実感を妨げる最大の障壁となっています。