L.L.Beanのタグは時代ごとにフォントやレイアウト、縫製仕様が大きく変化しています。手元のアイテムのタグと以下の特徴を照合することで、おおよその製造年代を即座に割り出すことが可能です。
1. 1960年代〜1974年頃:筆記体タグ(Script Tag)
ヴィンテージ愛好家の間で屈指の人気を誇るのが、ブランド名が流麗な筆記体で刺繍された筆記体タグです。メイン州フリーポートの本拠地名「Freeport, Maine」が記されているのが大きな特徴で、1960年代中頃までの初期タイプにはレジスターマーク(®)が存在しません。1960年代後半から70年代初頭にかけて®マークが追加され、タグ自体のサイズやベース生地の織り感にも年代ごとの微妙な差異が見られます。
2. 1970年代中頃〜1980年代初頭:カタディンタグ(山ロゴ・ギザタグ)
メイン州最高峰のカタディン山をモチーフにした美しい織りネームがカタディンタグです。初期のカタディンタグは、山肌のグラデーションが繊細に表現されており、山の背後に小さな太陽が昇るデザインから通称「サンライズタグ」とも呼ばれます。さらに、タグの外周がジグザグのミシン目で縫い付けられたものはギザタグ(2色ギザタグなど)と称され、70年代特有の意匠として市場で破格のプレ値が付く要因となっています。
3. 1980年代:ブロック体ロゴ・白タグ挟み込み期
1980年代に入ると、ロゴは現在親しまれている力強いブロック体フォントへと一本化されます。80年代前期から中期にかけての衣類では、大きなブランドネームタグのすぐ下、あるいはサイドに小さな白い布片で「MADE IN U.S.A.」やサイズ表記が挟み込まれる仕様が主流でした。カタディンタグも一部のアウトドアウェアで継続採用されましたが、刺繍の簡略化が進み、山の稜線のディテールに違いが生じています。
4. 1990年代〜2000年代初頭:一体型ケアラベル・生産国移行期
1990年代のタグは、ブランドロゴとサイズ表記、原産国表記が1枚のタグに整然とレイアウトされるようになります。タグ裏面にポリエステル混紡率や洗濯表示(ケアインストラクション)が多言語で記載され始めるのもこの時期の特徴です。1990年代後半から2000年代にかけては、生産拠点がアメリカ国外(エルサルバドル、メキシコ、ベトナムなど)へ徐々にシフトし、「MADE IN U.S.A.」表記の有無が年代識別の絶対的境界線となっていきます。