華やかな芸能界の第一線で活躍し続ける柴田恭兵ですが、そのプライベートは極めて誠実で、同時に壮絶な痛切を経験した家庭人でもあります。
柴田は1983年に一般女性と結婚しました。妻には前夫との間にもうけた長男がおり、結婚後に実子となる次男と長女が誕生。柴田は長男に対しても実子と何ら分け隔てなく深い愛情を注ぎ、5人家族の温かな家庭を築き上げました。
しかし2004年12月、家族を耐え難い悲劇が襲います。当時大学4年生、わずか20歳前後だった次男が持病の小児喘息重積発作により急逝したのです。当時、ドラマ『はみだし刑事情熱系』で熱血漢の父親像を演じていた柴田にとって、最愛の息子の命を救えなかった無念さは筆舌に尽くしがたいものでした。密葬の場で見せた憔悴しきった表情は、当時の芸能記者たちの間でも深く記憶されています。
このどん底の喪失感のなか、柴田家を支えたのは夫婦の固い絆でした。悲しみを内に抱え込みがちな夫を妻が献身的に支え、柴田もまた家族を守るために再び立ち上がりました。2006年の肺がん告知の際にも、柴田が取り乱さずに闘病に専念できたのは、すでに家族で命の儚さと重みを受け止め合っていた背景があったからに他なりません。柴田恭兵の芝居に漂う深い哀愁と優しさは、こうした人生の光と影を真正面から受け止めてきた人間性から滲み出ています。