今や国民食としての地位を築いた悪魔のおにぎりですが、その起源は過酷な極寒の地、南極にあります。原案を生み出したのは、南極地域観測隊で調理を担当していた「南極料理人」こと渡貫淳子氏ら越冬隊の調理担当者たちです。隊員たちが夜間の厳しい観測業務の合間に食べる夜食として、厨房に残った天かすとめんつゆをご飯に混ぜて握ったのがすべての始まりでした。
当時の越冬隊員が「美味しすぎて食べ過ぎてしまう、これは悪魔の食べ物だ」と口にしたことからその名が付き、テレビ番組の特番インタビューや自著で紹介されたことで一気に世間の注目を浴びることになります。
この素朴ながら圧倒的な引力を持つレシピに目をつけたのが、コンビニエンスストア大手のローソンでした。2018年10月に発売されるや否や、発売からわずか13日間で200万個を突破。コンビニおにぎり界において20年以上不動のトップを守り続けていた「シーチキンマヨネーズ」の週間販売数を抜き去るという、流通業界の歴史を塗り替える快挙を達成しました。さらにクックパッド殿堂入りレシピとして数多くのユーザー発信が重なり、家庭料理のスタンダードとして定着していったのです。