それにしても、なぜこれほど多くの人が「水温計マーク」を船の標識だと勘違いしてしまうのだろうか。その理由は、国際標準規格(ISO)で定められたピクトグラムの形状にある。波線をモチーフにした冷却水の水面の上に、温度計が垂直に刺さっているデザインなのだが、これが初見の目には「水に浮かぶヨットやフェリー」に見えてしまうのだ。
日本の道路標識には、実際に川や海を渡るフェリー乗り場を示す「渡船場」の案内標識が存在する。そのため、免許を取得して間もないドライバーやペーパードライバーが「近くに港があるのかな?」と誤解するケースが珍しくない。
映画『ワイルド・スピード』シリーズなどを観て育ったカスタムカーファンや車好きであっても、追加メーターをズラリと並べたチューニングカーのグラフィックと、日常使いのコンパクトカーや軽自動車に表示されるシンプルな警告灯の差に一瞬戸惑うことがある。エンタメ作品で見る派手な水温計トラブルの描写と、実際の静かな警告灯の点灯ギャップが、初期対応の遅れにつながる危険性も指摘されている。