アニメーション制作を手がけるufotableの卓越したクラフトマンシップは、義勇のアクションシーンにおいて圧倒的な映像美となって結実している。浮世絵を想起させる流麗な波のうねりと、近代的な3D空間演出の融合。空間全体が一瞬で波立たない鏡のような水面へと変貌する「凪」のシークエンスは、アニメ史に刻まれるべきカタルシスをもたらした。
無限城の幾何学的で無機質な異空間に対し、有機的で澄み切った義勇の水の剣技が激突するコントラストは、劇場の大スクリーンでこそ真価を発揮する。視覚の快楽を超え、剣士の魂の純度をそのまま光の軌跡として描き出す演出力には脱帽するほかない。