「体を柔らかくする」「脳の発達を促す」といった甘言の裏に潜んでいたのは、解剖学的に見て明らかな破壊行為だった。日本小児科学会をはじめとする専門家集団は、乳児の首を過度に回旋・伸展させる手技に対して強い警鐘を鳴らし続けている。首の筋肉や骨格が未発達な乳児期に強い外力を加えることは、頸髄損傷や気道閉塞、椎骨動脈の損傷に直結する。
さらに、乳児の脳は頭蓋骨内部で非常にデリケートな状態に置かれている。急激な揺さぶりや捻転が加わることで、乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)と同様の重篤な頭蓋内出血や不可逆的な脳損傷を引き起こすリスクが高い。厚生労働省も首すわり前の不適切なマッサージや過度な運動負荷に対する注意喚起を継続しているが、2026年の小児医療の視点から見ても、これら無資格者による強引な介入は「医療」や「ケア」ではなく、極めて危険な身体侵害に他ならない。