最新のトラッキングデータが示す数値は、まさに驚異的だ。ストレートの平均球速は150km/h台前半を楽々とキープし、回転効率とホップ成分は球界トップクラス。高めに浮き上がるような錯覚を与えるファストボールが、打者の目線を狂わせる。
そして、カウントを整えた後に待つのが代名詞のフォークボールだ。打者の手元でブレーキがかかり、真下へ叩き落とされるような軌道を描く。空振り率は45%超を記録。直球と全く同じ腕の振りから放たれるため、打者にとって見極めは極めて困難を極める。
「直球と同じ腕の振りのなかで、いかに指先からボールを抜くか」。種市本人が明かすその感覚の鋭敏化こそが、奪三振を量産し続ける最大の原動力だ。力勝負一辺倒だった若手時代から脱皮し、配球の緩急とコースの投げ分けを研ぎ澄ませたことで、打者を手玉に取る投球術を確立した。