日本料理の世界において、湯葉は古くから高雅な膳を彩る脇役だった。大豆の甘みを凝縮した繊細な膜は、出汁を吸わせたり刺身としてわさび醤油でいただいたりするのが本流だ。しかし、時代の移り変わりとともに、若年層や外国人観光客にとって「敷居が高い」と感じられる場面も少なくなかった。
その壁を軽やかに打ち破ったのが、ゆばチーズの登場である。魚肉のすり身に濃厚なプロセスチーズを忍ばせ、極薄の生湯葉で幾重にも丁寧に巻き上げる。それを高温の油でからりと揚げることで、伝統的な大豆の風味を残しながらも、誰もが直感的に「美味い」と感じる現代のファストスナックへと変貌を遂げた。