単なる歌唱にとどまらず、体全体で観客とコミュニケーションを図るインタラクティブな表現。その頂点となったのが、西城秀樹の『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』である。スタジアムの観衆全員が一斉に腕で文字を作る光景は、観客を受動的なリスナーから「参加者」へと変貌させた。
西城秀樹が海外のディスコサウンドを日本人向けに再解釈し、泥臭くも力強いアンセムへと昇華させた功績は計り知れない。一方、野口五郎は海外レコーディングをいち早く取り入れ、フュージョンやAORのエッセンスを歌謡曲に注入。郷ひろみもまた、海外プロデューサーとの協業を通じて最先端のダンスビートを貪欲に吸収していった。
彼らが繰り出した楽曲群は、それまでの定型化された歌謡曲の枠組みをことごとく破壊した。ブラスセクションの咆哮、歪んだエレキギター、タイトな16ビート。現在私たちが聴くJ-POPの遺伝子は、間違いなくこの時代に培養されていた。