沖縄の食文化は、かつての琉球王国時代に中国や東南アジアから受けた影響と、戦後のアメリカ統治時代に定着した食習慣が混ざり合った「チャンプルー文化」の真骨頂です。国際通りのステーキハウスやソーキそば専門店も魅力的ですが、真の沖縄グルメの熱気は地元住民が日常的に通う大衆食堂に宿っています。
代表格として挙げられるのが、知る人ぞ知るソウルフード「骨汁(ほねじる)」です。そばの出汁を取った後の豚骨肉を、レタスや豆腐とともに生姜を効かせたスープで煮込んだ一品で、山盛りの豚骨から肉をほじくり出して食べる豪快さは圧巻です。那覇市や浦添市の老舗食堂では、開店からわずか1〜2時間で売り切れるほどの絶大な人気を誇ります。
さらに、沖縄の「天ぷら」は一般的なサクサクした和食の天ぷらとは異なり、厚みのあるフリッター状の衣にしっかり塩味がついています。南城市の奥武島(おうじま)周辺にある鮮魚店の店先では、揚げたてのモズク天ぷらや白身魚天ぷらを買い求め、海風に吹かれながら頬張る島民の姿が日常の風景となっています。地元酒場に足を運べば、1杯数百円の泡盛と島ラッキョウ、ゴーヤーちゃんぷるーを囲みながら、隣り合わせた見知らぬ客同士がいつの間にか乾杯を交わす温かなコミュニティが息づいています。