栄光学園の入試突破において最大の分水嶺となるのが、極めて独創的な算数の出題傾向です。一般的なパターン演習を繰り返してきた受験生が、過去問演習の初期段階で最も打ちのめされるのが本校の算数と言っても過言ではありません。
問題用紙と解答用紙を兼ねた大判の用紙には、途中式や考え方を書き込む広大な余白が用意されています。求められるのは「公式に数値を当てはめて答えを出す速さ」ではなく、未知のルールや立体図形に対して実際に手を動かし、規則性を発見し、それを筋道立てて説明する「作業力と論証力」です。
理科や社会においてもその傾向は徹底しています。理科では実験データの数値から仮説を構築させる問題が頻出であり、社会では単なる歴史用語の丸暗記を排し、現代の社会課題と結びつけた長文記述が課されます。大手進学塾のカリキュラムをこなすだけでは歯が立たず、以下のような骨太の受験対策が不可欠です。
- 算数の記述訓練:答えが合っているか否かではなく、「なぜその補助線を引いたのか」「いかなる根拠で分類したのか」を第三者に伝える答案作成力を養う。
- 思考実験の習慣化:問題文が提示する特殊なルールを瞬時に咀嚼し、具体例を手作業で書き出して規則性をあぶり出す試行錯誤の粘り強さを身につける。
- 過去問演習の時期と深度:秋以降、最低でも過去10年分以上の問題にじっくり向き合い、別解の研究や指導者による丁寧な添削指導を反復する。